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2019.02.14

理想の暮らしを手に入れる一つの方法[後編]龍山秘密村 村長 / 川道光司さん

今、浜松で起きている面白いこと。
まだ、小さなムーブメントかもしれないけれど、
なぜか惹きつけられてしまう不思議な魅力がある。
その秘密を探ってみると、「創造都市・浜松」の明日のカケラが見えてくるかもしれない。

 

~あなたの「好きなこと」は「できること」ですか~

 

好きと仕事を軽やかに越境し、地域にとって欠かせない人財として活躍する龍山秘密村の村長、川道光司さん。後編では、川道さんの夢、理想の暮らしを手に入れるための秘訣をお聞きしました。

 

できることが増え、自由になる

 

ーー川道さんの今後の夢を教えてください。

 

(川道)今は暮らし自体がとても楽しくて、情報発信しなくなっちゃいましたが、本当は、山の中での暮らしに興味を持つ若い人もいるので、山でも仕事ができるんだよ、ちゃんと暮らせるんだよと、伝えていくことが大事だと思っています。山の仕事というと農業や林業といった力仕事のイメージがあるかもしれませんが、意外とパソコンを使える方が重宝されたりしますしね。

 

 

ーーとは言え、いつまでも山の仕事があるとも限らない訳ですよね。

 

(川道)おっしゃるとおりで、地域の仕事を手伝うだけでなく、仕事を作っていくことも大切ですね。秘密村で人を雇いたいですし、アウトドアプログラムや観光、販売など、秘密村を通じて新しい仕事が作れたらいいなと思っています。

 

▲秘密村にあるカフェ。地域にとって大切なコミュニティースペースになっている。

 

ーー川道さんは農業、狩猟、大工、アウトドアといったさまざまな「できること」がありますが、それはどのようして身につけていったのですか。

 

(川道)僕にとって、やりたいのに、必要なのにできない、というのが悔しいんですよ。以前からいろいろなことに挑戦してきたと思っていますが、龍山に来て暮らしていると、農作業でも家の修繕なんかでも自分がまだできないことに気がつくんですよ。そうすると、そのスキルを手に入れたくなる。そのことを地域の人に教えてもらう。結果、龍山での暮らしがより多くのできることを増やしてくれていると思います。

 

ーー龍山での暮らしの中での気づきが積み重なって、現在のようなたくさんのできることが増えていったんですね。

 

(川道)僕にとってですが、できることが増えていくことは、お金を稼ぐための手段が増えると言うよりも、何かが起こっても生き残っていけるという安心感につながっている、そんな意味合いが強いですね。できることが増えることで得る安心感、それが暮らし方を自由にさせてくれる、そう思っています。それは山の暮らしばかりではなく、街の生活でも、同じじゃないですかね。

 

 

川道さんにとっての好きなことをしながら仕事をする「理想の暮らし」は、一朝一夕にできたものではなく、できることを一つひとつ積み重ねていった結果だと言うことが分かりました。初めて自転車に乗れたとき、自分の世界が一気に広がったように、「できること」を積み重ねていくことが、自分の「好き」を引き寄せ、「理想の暮らし」を手に入れる一つの方法なのかもしれません。

 

川道光司
千葉県市原市出身。大学卒業後、商社に勤めるも退職。3年間の海外生活を経て、富士宮市の自然学校でアウトドア指導員として活躍する。2016年4月、浜松山里いきいき応援隊として天竜区龍山に着任。同年5月より、龍山秘密村の村長に。趣味はカヤック、SUP、マウンテンバイク、モノ作り。
龍山秘密村 https://himitsumura.com/

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