創造都市・浜松

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2018.10.16

街を多面的にとらえ、自ら多様性を作り出す[前編]建築デザイン事務所 +tic / 鈴木知悠さん

今、浜松で起きている面白いこと。
まだ、小さなムーブメントかもしれないけれど、
なぜか惹きつけられてしまう不思議な魅力がある。
その秘密を探ってみると、「創造都市・浜松」の明日のカケラが見えてくるかもしれない。

 

〜あなたの居場所はいくつありますか?〜

 

tamachi

 

浜松市をはじめ、中心市街地の空洞化が課題となっている地域は少なくありません。さまざまな理由がありますが、中心市街地はもう魅力のない場所なのでしょうか。今回紹介する建築家の鈴木知悠(ともひさ)さんはそんな街中で暮らす1人。ただ普通と違うのは、半径200mの徒歩圏内に5つの居場所を持っているということ。工房を訪ね、職住近接型の街の暮らし方を教えてもらいました。

 

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▲建築家として活躍する鈴木知悠(ともひさ)さん

 

人とのつながりで、居心地のよい場所が増えていく

 

ーー最初に、鈴木さんがどのようなお仕事をしているか教えてください。

 

(鈴木)2013年に静岡文化芸術大学を卒業して、そのまま独立しました。大学時代の同級生と2人で建築デザイン事務所「+tic(プラスチック)」を主宰しています。住宅や店舗などの設計・管理の他、イベントや展示の空間構成、ワークショップなども企画運営しています。最近では、肴町の路地裏にあるシェア型屋台村「肴町リトル」や、舘山寺温泉門前通りの活性化を目的に、関西の建築家やデザイナーと一緒に、閉店したお土産店をコミュニティースペースとして再生するなど、まちづくりにも関わっています。

 

ーー鈴木さんは浜松市の中心部に住まわれ、さらに、事務所や工房なども街中にあると聞きました。よく聞く多拠点生活とも違うようですし、近接したエリアに5つの場所を持つことはどのような意味があるのでしょうか?

 

(鈴木)多拠点生活や週末移住は、オンとオフを切り替えたり、都会と田舎のギャップと言うか、非日常感を体験したりすることが目的のように思えます。僕の場合は、オンとオフが分かれていなくて、公私混同(笑)。仕事と私生活がグラデーションでつながっている感じですね。

 

ーーどういった経緯で5つもの居場所を持つようになったのですか?

 

(鈴木)在学中から +tic として活動をしていましたが、卒業して独立したら、仕事や住む場所を自ら作り出す必要がありました。友だちのおばあちゃんの一軒家が中区の元目町にあって、家のメンテナンスをしたり、大家さんが使う家具を製作したりすることを条件に、格安で住まわせてもらうことになりました。大家さんのお孫さんと、+tic の2人、友人との共同生活でした。そこで仕事もしていましたが、私生活との切り替えが課題でした。

 

ーーそうなると次は、仕事場を探すことになるわけですね。

 

(鈴木)知り合いのウェブデザイナーさんが街中に事務所を構えることになり、内装の仕事を依頼されました。完成後、事務所をシェアしないかと誘っていただき、プリンターや打ち合わせスペースを共用することができたので、入居することを決めました。

 

ーー他には、どのような居場所があるのですか?

 

(鈴木)ゆりの木通りにある自走式立体駐車場のワンフロアを商業施設にしたいと相談を受け、車輪の付いた2.3×2.3mの立方体を製作し、移動式商業施設「CUBESCAPE(キューブスケープ)」としてオープンさせました。オーナーからここを使わないかと声をかけていただき、以前から一時的な工房としてお借りしていたこともあって、常設の工房として借りることを決めました。車で資材を運べるし、何よりさまざまな材料をストックできることが、仕事をする上でプラスになっています。

 

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▲CUBESCAPE(キューブスケープ)

 

ーーついに住まいも仕事場も、工房も手に入れました。

 

(鈴木)この近くに築40年ほどのマンションがあり、その一室を+ticでリノベーションしました。その部屋の住人が引っ越すことになって、大家さんも思い入れが強く、他人に貸すのはもったいないと。賃貸ではなく、レンタルスペースとして+ticで管理してもらえないかと相談がありました。僕が1人になりたいときに使う他、鴨江アートセンターのレジデンスアーティストや、浜松に来たバンドマンが短期滞在するために貸し出しています。

 

ーー最後の5つ目を教えてください。

 

(鈴木)「田町スクエア」というビルを管理しています。もともと花屋さんで、什器などの撤去や改修を僕らがすること、借り手が増えるたびに家賃があがるシステムを採用していただくことで、安くお借りできることになりました。店舗だった1階をイベントスペースにして、入居している映像作家の作品展やトークイベント、夏にはレモンサワーを振る舞うなど、街に開いた場所として運営しています。

 

ーーユニークな5つの居場所について教えていただきました。後編では、それぞれの居場所が鈴木さんにどのような影響を与えているのか、詳しく伺っていきます。

 

+tic 鈴木知悠
神奈川県生まれ。静岡文化芸術大学 デザイン学部 空間造形学科を卒業。付け加えることの「プラス」と、広げるという意味を持つ「チック」を合わせた「+tic」を、同級生の鈴木陽一郎とともに主宰。建築設計に留まらず、ものづくり、まちづくり、企画運営とプロジェクトベースでの活動を行う。主な仕事として、アパレル工房兼ギャラリー「yacht」(設計施工)、シェア型屋台村「肴町リトル」などがある。
https://plus-tic.info

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