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2016.12.28

自分の好きを大切に、半径1kmを幸せにする [後編] 島津順子さん

今、浜松で起きている面白いこと。そこには必ずキーパーソンがいます。
彼ら彼女たちがいるからこそ、面白いことが起きている。
その発想を紐解くと、「創造都市・浜松」の明日のカケラが見えてくるかもしれない。

〜子どもにどんな未来を見せたいですか?〜


子育てママ、ハンドメイド作家、そして編集者の視点で見た浜松にはどんな魅力があるのか。さらに話は、まちづくりにまで広がっていきます。

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埋もれた価値を伝えたい


「タウン誌の編集ということもあり、仕事では人に会いに行くことが多かったですね。お店を取り上げるなら店主の話を聞いたり、イベント紹介では主催者の話を聞いたりと。情報そのものではなく、それに関わる人の魅力を伝えていました。取材を通じていろんな人と出会えたあの喜びが忘れられないから、ボランティアだったとしてもいろんな人に会いに行っているのかもしれないですね。人のつながりはお金では買えないですし」

「徳島はとても居心地がよかったですね。ごはんを食べに行っても店主と知り合いだし、まちに出ても誰かと会うし、まさにホームグラウンド。結婚してからは主人の転勤が多かったので、どこに行ってもアウェイ、アウェイ、アウェイ。そのギャップもあって、浜松でも会いたい人に会いに行き始めたら、知り合いが増えてどんどん居心地がよくなっていきました。その点で、浜松は会いに行けちゃうサイズ感がいいですね」

「今、遠州織物を使った商品に力を入れています。以前参加した『遠州織物魅力発見ツアー』で、遠州織物のルーツと言われる初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)に訪問したことがきっかけです。三ヶ日町にあるこの神社は、神様が着る神衣(かんみそ)を伊勢神宮の内宮に代々収めていました。ほかにも、日本神話に伝わる天岩戸の話の中で、天照大神が岩戸から出て来たときに着たとされる衣をつくったのが、神主さんのご先祖様という記録があるほどの由緒ある神社。こんな特別な場所が浜松にあることを、周りの人たちにもっと知ってもらいたいと思ったのが遠州織物に興味を持ったきっかけです」


——三ヶ日町は平成17年の合併で浜松市になったので、昔の浜松の人から見ると遠い存在なのかもしれませんね。よそから来た人ならではのフラットな目線だと、新鮮に映るんでしょうね

「編集者時代もそうですが、こんな面白い人やおいしいお店を知らないなんてもったいないという精神があります(笑)遠州織物はこんな人が織っていますよ、こんな人が染めていますよと紹介しようと思っていたら、『一般の人からしたらそんな話を聞いてもへぇで終わるよ』と指摘されて。だったら私は布作家なので、遠州織物を使って作品をつくることにしました。話だけでは聞いて終わってしまうけれど、何気なく着ている子ども服が遠州織物だったという方が、じわじわと浸透していくだろうし、使う人にとっても大事な存在になってくれるのかなと思っています」

 

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▲かわいらしいファブリックパネルが仕事部屋を飾る

自分の周りが変われば、暮らしはもっと楽しくなる

 

——島津さんはリノベーションスクールではまちづくりにも関わられていますね

「リノベーションスクールに参加して、もっと自分の家の周りをよくしたいという思いが強くなりました。この辺りは海も近く津波の心配もあって、土地の値段が下がっているし、何にもなくて自分的にちょっとあきらめていた時期もありました。でも、家にはほとんど使っていない蔵や土地があって、ここを使えばいろんなことが始められると思ったら、今あるものの価値やありがたみに気づきました。自分の身の回りを楽しく使えたら、もっとこの場所を好きになるだろうし、ご先祖様も喜んでくれるはず。最近では町の寄り合いに出てみたいと思うようになってきました。うちの町には『常に新しくあれ』ってキャッチコピーが付いていて、田んぼしかないのに『新しく』って面白いなと思って、それでまた好きになっちゃいました」

 

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▲身近な場所に目を向け、大切にすることで、新しい可能性が広がる


——ここでしたいことがあるんですか?

「私が勝手に妄想しているだけですが、いつか蔵や長屋をリノベーションして、工房やお店にできたらいいなと思っています。今もそうですが、家と仕事場を一緒にすることで、子どもに親の働いている姿を見せていきたいです。子どもが将来どんな仕事をしようかと考えるとき、既存の職業だけでなく、自分で考えて仕事をつくるのもありだよ、いろんな選択肢があるよと伝えたいですね。ほかにも、子どもに何かつくらせて店頭で販売したり、どうすればより売れるか考えたり、学校とは違う学びの場になっても面白いかも。あとは、子育てなどでなかなか働けないママさんとチームになって一緒に仕事をするスタイルを、これからも継続していきたいですね」


——地域の雇用を生み出して、子育てママの悩みを解決して、ビジネスとして成立させる。もう社会起業家ですね(笑)

「規模を大きくしようと思うと、社会保険関係とかが気になって、もっともっと稼がなくちゃ、ってなるから(笑)子どもが大きくなるまで無理なく、自分サイズで広げていこうと思っています。今は雇う/雇われるという関係ではなくて、仲間を集めたいですね。今度、『南区を盛り上げよう会』があるんです。まだ何をするか未定ですが、まずは南区を拠点に活動されているママさん4人でミーティングを兼ねてランチに行きます。この地域は自分より上の世代ががんばってきたので、もうちょっと自分たちの世代も関わって楽しくしたいなと思っています」

 

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あくまでマイペースに、等身大の自分で、毎日の生活に根ざしたところに活動の原点を見つける島津さん。ブログなどでも積極的に情報発信していて、「大事なことは何度も何度も伝える」と言います。それは「こちらが思うほど読者は覚えてないし、興味もないから」と笑います。「だから、他人の目を気にしないで好きなことを始めてみればいいんですよ」とも。そう話す姿に、子どもに寄り添い、たっぷりの愛情で優しく見守るお母さんの姿が重なりました。

 

島津順子

ハンドメイド作家。男の子と女の子の2児の母。maku(まーくー)名義で「おくりもの」をコンセプトにした、ママ&子ども向けアイテムを制作、販売。イベント出店のほか、まちなかのAnyにてツキイチSHOPを開催。タウン誌の編集長や起業の経験を生かし、ブランディングや起業セミナーの講師など、多岐にわたり活躍している。

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