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2015.12.16

浜松の魅力を世界へ発信する[前編] 三井いくみさん

いま、浜松で起きている面白いコト。そこには必ずキーパーソンがいます。
彼ら彼女たちがいるからこそ、面白いコトが起きている。
その発想を紐解くと「創造都市・浜松」の明日のカケラが見えてくるかもしれない。

 

~友だちが浜松に遊びに来るとなったら、どこへ案内しますか?さらに、その友だちが外国人だとしたら。~

 

FUAN

 

「iN HAMAMATSU.COM」(イン ハママツ ドットコム 以下、インハマ)という、外国人を対象に浜松市や静岡県西部を中心とした観光情報を英語や中国語、インドネシア語など、多言語で発信する情報サイトがあります。2012年5月にスタートし、グルメやアクティビティ、カルチャー情報に工場見学のほか、電車やバスの乗り方、病院といった生活情報など、写真や動画を使った豊富なコンテンツが魅力です。

こちらサイトを運営しているのは広告デザイン事務所「株式会社 mocha-chai(モカ・チャイ)」代表取締役である三井いくみさん。インハマ編集部がある古民家「風杏」を訪ねました。

「インハマの仕事は大きく3つあります。1つは、ウェブサイトを通じて外国人への情報発信。2つめに、外国人との交流を図るイベントの開催。3つめは、多言語販促ツールの制作や外国人観光のマーケティング調査、外国人向けオプションツアーの企画といったインバウンド(訪日外国人観光客)のサポート事業です」

インハマスタッフは、旅好きな日本人と浜松在住の外国人スタッフからなる多国籍チーム。自ら現場に足を運び、観光情報や街の情報を紹介しています。制作するにあたって一番注意しているのが、「徹底した外国人の目線」だと言います。

「外国人が面白いと思うものは、外国人にしか分かりません。インハマの仕事をしていて一番楽しいのは、浜松の魅力を再発見できること。外国人ってそこを面白がるんだ、とか。いろいろと気付かされることが多いです」

同じ場所に長いこと住んでいると、恵まれた環境でもそれが当たり前になってしまいます。

 

MIKAN
(外国人と日本人が地元を観光するイベント「What’s Hamamatsu?」でみかん狩り)

 

浜松にはJRも新幹線もあり、赤電やバスなど二次交通も発達しているし、高速道路は2本もあります。浜名湖や山といった自然との距離も近く、温暖でおいしい食べ物が多い恵まれた地域。でも、その魅力に気付くには、比較する視点が必要なのではないでしょうか。

「外国人をはじめ、Uターンや移住者など、客観的な視点を持つ人は、浜松の本質的な魅力に気付くことができるのではないでしょうか。年配の人にしたら懐かしさを感じる風杏も、若い人が見れば至るところが新鮮で面白いものばかり。そんな世代間のギャップも魅力を発見するヒントになると思います」

「今の若い人たちは地元が好きで、進学も就職も地元という人が多い。海外旅行もあまりしないので、外からの視点を持てるかちょっと心配ですね。浜松には約2万人の外国人が住んでいて、2014年の外国人宿泊客は約28万人。浜松は意外と外国人が多い街なんですよ。若い子が海外に行かないなら、外国人をもっと呼んで交流させちゃえばいいのかも。まるで海外旅行に行ったみたいで楽しくないですか」

「実は、iN SHIZUOKA.COMというドメインも持っています。観光は広域プロモーションが効果的なので、中部や東部などと連携して、静岡全体で盛り上げられたいいですね」

 

FUANENT
(お客さまを迎える風杏の手書き看板)

 

誰もやらないなら、自分が始める

 

「インハマはスタート当初、ボランティア? と言われることもありましたが、ちゃんとビジネスとして運営しています。でも、それを理解してもらうのはとても苦労しました」と笑う。なぜ三井さんが、そんな大変なことをしているのでしょうか。

浜松市出身の三井さんは、短大進学で東京へ。学生時代は音楽やミュージアム巡りを楽しんだり、イベントのアルバイトをしたり、刺激的な毎日を過ごします。ご本人曰く、みっちり社会勉強したとのこと。

「手に職をつけたくてMacを買いました。でも使い方がまったく分からなくてパソコンスクールに通うのですが、授業が始まったらデザインを学ぶ内容で……。どうもコースを間違って申し込んだみたいでした」

そんなお茶目な三井さんですが、学校の先生の勧めもありデザイナーとして転職。その後浜松にUターンし、独立。デザインの仕事をはじめてもう20年近くが経とうとしています。

東京などの大都市で暮らし、浜松に戻ってきた人なら誰もが思う、「浜松ってものたりない」という感覚。もれなく三井さんも同じで、自然と海外旅行の魅力にはまっていきます。

そんなとき、浜松に住むアメリカ人の友人に言われた言葉が三井さんを動かします。
「浜松には英語で書かれた情報がない。デザイナーだから何かつくってよ」と。

「浜松って外国人に対する生活支援はしています。でも浜松でもっと楽しく暮らすための情報はほとんどなかったんです。最初は、そんなたいそうなものをつくるのは無理と思いました。でも、旅行が好きだし、英語の情報があったら外国の人が喜んでくれる。浜松にいながら楽しい状況を作り出せるかもしれない……外国の友人もいるし、これはできるかもと(笑)。
海外を旅していると、旅行者に優しい街と、そうでない街があることに気付きます。誰もが暮らしを楽しめるのが当たり前なのに、情報が足りないだけで生活がつまらなくなる。それって、すごくもったいないと思うんです」

「なんで大きな会社がしないのかと考えたら、あ、儲からないからだと(笑)でも大切なことだし、誰かがしないといけないなら、自分がやろうと。ボランティアにすると継続できないので、お金をいただいているのもそんな理由になります。
私は直感タイプなので、これはいけると思ったらすぐに動いちゃう。逆に迷いながら始めるとたいてい失敗します。始める前に本を読んだり、セミナーに通って事前準備してからスタートする人もいますが、私は走りながら分からないことがあったら勉強して不足を補う感じです。

インハマはモデルケースがなく、成功も失敗もやってみないと分からない。逆に言えば、やったもん勝ちの世界。仲間と一緒に新しいビジネススキームをつくっていく醍醐味はあります」

「自分が海外を旅した経験や、外国人のアドバイスをもとに仕事をしているので、無理がないのも続けられる理由のひとつかもしれませんね」

 

三井いくみ
浜松市中区出身。株式会社 mocha-chai (モカ・チャイ)代表取締役。2012年、外国人スタッフとともに訪日外国人向け情報サイト「iN HAMAMATSU.COM」を立ち上げる。さらに、多言語販促ツールの制作や、訪日外国人向けマーケティング調査などのインバウンドサポート事業も行う。

株式会社 mocha-chai (モカ・チャイ)
ポスター・カタログ・パンフレット・新聞広告など、広告全般・販促の企画・デザイン
ポータルサイト「iN HAMAMATSU.COM」企画運営。

静岡県浜松市中区春日町194
info@inhamamatsu.com

iN HAMAMATSU.COM
旅好きを共通点にした日本人と外国人スタッフによるクリエイティブチーム。「徹底した旅人目線」で観光をデザインしている。ウェブサイトの運営、イベントの実施など、さまざまな活動を通してインバウンド促進をサポート。

http://www.inhamamatsu.com/

 

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