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イベント2015.06.09

ユネスコ創造都市ネットワーク年次総会 金沢で開催・ハノーバー市視察団浜松来訪

 

2015年5月26日から28日まで、金沢市にてユネスコ創造都市ネットワークの年次総会が開催されました。現在ネットワークに加盟している都市は、7分野を合わせて32か国・69都市です。このうち浜松を含めて9都市が音楽分野の仲間です。

総会

 

金沢会議では、加盟都市の事業報告やこれから加盟を希望する都市の手続きの方法についてなどが主な議論となりました。音楽分野はコーディネートシティであるボローニャ市から各都市が行っている活動の報告がなされました。特に浜松については、昨年8月にボローニャの児童合唱団やチェンバロ演奏者などを招いて開催した「浜松世界青少年音楽祭2014」や、デザイン都市サンテティエンヌで開かれた「サンテティエンヌ・デザインビエンナーレ」へ浜松の楽器メーカーとオートバイメーカーが共同で新しいスタイルの楽器を出展した事例などが報告されました。

 

また、今回の総会では市長ランドテーブルが開催され、17都市の市長または副市長が、ユネスコ創造都市ネットワークを活用した都市の持続的な発展のためのパートナーシップの構築や地域開発などについて意見を交換しました。浜松市長からは、地域や分野の枠を超えてWINWINの関係となる都市間交流の重要性が述べられるとともに、今年12月に「世界創造都市フォーラムin浜松2015」と併せて楽器メーカーズフェスティバルを開催することが紹介され、各都市にフォーラムへの参加が呼びかけられました。

総会2

 

今回の総会の中には、文化プログラムも用意されました。同市はクラフト&フォークアーツの分野でネットワークに加盟しています。文化プログラムでは、21世紀美術館で開催されている染色、金工、漆工、陶磁などの特別展について、作家からじかに製作工程の説明を受けながら鑑賞しました。また、石川県立能楽堂では、能楽のルーツ、舞台や面、鑑賞マナーなどについて演者からレクチャーを受けた後、「羽衣」を鑑賞しました。日本に対して発達した産業技術や近年のポップカルチャーのイメージを強く持つ海外の方も多いようですが、やはり古くから受け継がれる日本独自の伝統的な手仕事や芸能への関心は高く、参加者はみな熱心に説明に聞き入ったり、カメラを向けたりしていました。

総会3

 

ハノーバー市代表団の浜松訪問

ユネスコ創造都市ネットワーク金沢総会終了後、ドイツ・ハノーバー市の代表団のBenedikt PoensgenさんとKai Schirmeyerさんが浜松市の楽器産業と音楽施設の視察のために浜松を訪れました。

 

運河などによって古くから栄えた交通の要衝でもあるハノーバーは、自動車関連産業のコンチネンタル社や音楽レーベルのドイツ・グラモフォン社が創設された商工業が大変盛んな街です。国際見本市ハノーバー・メッセは世界でも有数の産業展示会として有名です。文化面だけでなく主要産業のひとつとしての浜松の音楽・楽器にもお二人は強く関心を持たれていました。

総会4

総会5

総会6

 

ハノーバーと浜松との縁 ~姉妹コンクールだね!~

ハノーバーは、2014年12月に同じくドイツのマンハイムや浜松とともにユネスコ創造都市ネットワーク音楽分野の仲間に加わりましたが、実はそれ以前から浜松とハノーバーには音楽の縁があります。ハノーバー音楽大学のアリエ・バルディ教授、カール=ハインツ・ケマーリング教授(故人)は、浜松国際ピアノコンクールで審査員を務めたほか、浜松国際ピアノアカデミーでも熱心に後進の指導にあたりました。今年8月に開催される浜松国際管楽器アカデミーにもトランペットのイエルーン・ベルワルツ教授が来日します。また、浜松出身の安藤真野さんが同大学のマスター科を最高位で卒業したほか、河村尚子さん、アリス=紗良・オットさんなど浜松のアカデミーやコンクールから羽ばたいた多くのアーティストがハノーバーで学んでいます。

総会7

 

ハノーバー市では3年に一度ヴァイオリンの国際コンクールが開かれており、次回第9回目は今年の秋に開催されます。この開催サイクルと回数は、浜松のピアノコンクールとぴったり同じ。「姉妹都市ならぬ“姉妹コンクール”だね!」と大いに盛り上がり、コンクール事務局同士で事業連携の可能性を検討することになりました。

総会8

滞在中にはアクトシティでのピアノコンサートやライブハウスでのジャズコンサートにも積極的に足を運びました。金沢でも公式プログラムの時間外にジャズバーを訪ねたとのこと。「音楽が好きだから」というのはもちろん「音楽を楽しんでいるその土地の人々の様子を知りたいから」という、探究心と好奇心にあふれたお二人でした。

 

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